XF33mmF1.4 R LM WR レビュー。XF35mmF1.4 R と迷って選んだ、X-E5 に付けっぱなしの標準レンズ
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こんにちは、HIROYAです。
XF33mmF1.4 R LM WR は、2026年4月に買ってから、X-E5 にほとんど付けたままになっているレンズです。それまでよく使っていた XF35mmF2 R WR に付け替えることも、めっきり少なくなりました。
ただ、このレンズに決めるまでには、それなりに迷いがありました。換算 50mm 前後の明るいレンズには、神レンズと言われる XF35mmF1.4 R や、値段の安いシグマ・Viltrox のレンズなどたくさんの選択肢があります。
この記事では、私がなぜ XF33mmF1.4 を選び、使い続けているのかをまとめます。
こんな人の参考になると思います。
- 富士フイルムの換算 50mm 付近の単焦点レンズが欲しいと思っている人
- シグマや Viltrox などの安いレンズと、純正のどちらにするか迷っている人
- XF56mmF1.2 の写りが好きで、同じ傾向の標準レンズを探している人

レンズの概要とスペック
XF33mmF1.4 R LM WR は、富士フイルムの APS-C 用の単焦点レンズで、35mm 判に換算すると 50mm 相当の標準レンズです。2021年9月に、同じ年の5月に出た XF18mmF1.4 R LM WR に続く、新しい世代の F1.4 単焦点として発売されました。スペックは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 焦点距離 | 33mm(35mm 判換算 50mm 相当) |
| 開放 F 値 | F1.4(最小絞り F16) |
| レンズ構成 | 10群15枚(非球面レンズ2枚、ED レンズ3枚) |
| 絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 30cm |
| 最大撮影倍率 | 0.15倍 |
| 大きさ | 最大径 約67mm × 長さ 約73.5mm |
| 重さ | 約360g(キャップ・フードを除く) |
| フィルター径 | 58mm |
| 防塵・防滴 | 対応(WR) |
| 発売日 | 2021年9月29日 |
換算 50mm 前後の F1.4 といえば、富士フイルムには 2012年に出た XF35mmF1.4 R があり、今でも「神レンズ」と呼ばれるほど人気があります。富士フイルムも XF33mmF1.4 を「神話は第二章へ」という言葉とともに、「新時代の標準レンズの登場」とうたっています。このレンズの特徴として、画面の周辺部まで高い解像性能を出せることや、リニアモーターによる速い AF を挙げています。しかしながら XF35mmF1.4 R の評判があまりにも良かったため、買い換える必要があるのか、どこがどう変わったのかを検証する記事や動画が多く上がっている印象です。
新旧のレンズスペックを比較してみます。また、参考に私が所有している XF35mmF2 R WR も比較してみます。
| XF33mmF1.4 R LM WR | XF35mmF1.4 R | XF35mmF2 R WR | |
|---|---|---|---|
| 換算の焦点距離 | 50mm 相当 | 53mm 相当 | 53mm 相当 |
| 重さ | 約360g | 約187g | 約170g |
| 長さ | 約73.5mm | 約50.4mm | 約45.9mm |
| フィルター径 | 58mm | 52mm | 43mm |
| 最短撮影距離 | 30cm | 28cm | 35cm |
| 防塵・防滴 | ○ | × | ○ |
| 発売 | 2021年 | 2012年 | 2015年 |
こうしてみると、XF33mmF1.4 は大きく重くなり、これまでの軽量・コンパクトなシステムとは少し異なるコンセプトになっているのがわかります。富士フイルムのX マウントは APS-C センサーを採用したコンパクトなシステムが特徴の一つ。にも関わらず旧型より大きく重くなった標準レンズを私がなぜ X-E5 に付けっ放しにしているのか。それはスペック表には現れない、4,000万画素のセンサーを活かし切る描写性能にあります。
標準レンズも新しい世代に
XF33mmF1.4 を買うきっかけになったのは、それまで標準レンズとして使っていた XF35mmF2 R WR の写りが、X-E5 に替えてから気になり始めたことです。XF35mmF2 は小さくて軽く、X-T4 や X-M5 の約2,600万画素のセンサー(第4世代)で使っていたころは、写りに関して気になったことはほとんどありませんでした。ところが、4,000万画素の第5世代センサーを積んだ X-E5 で撮るようになってから、開放や近くを撮ったときのにじみや少し甘い写りが目につくようになりました。このあたりの話は note にも書いています。
もう1つの理由は、XF56mmF1.2 R WR の写りがとても好きだったことです。XF56mmF1.2 は、ボケが前後ともに滑らかに溶けていくうえに、ピントが合ったところはしっかりシャープに写ります。X-E5 の約4,000万画素になっても、その写りはまったく変わらず、素晴らしい写真が撮れています。
XF56mmF1.2 R WR のレビューはこちらです。
実は、同じ世代の XF23mmF1.4 R LM WR も、2024年の秋から半年ほど使っていました。写りは XF56mmF1.2 と同じように透明感があり、ボケもなだらかで、しかも最短撮影距離が 19cm と短く、ぐっと寄って撮れるとてもいいレンズでした。換算 35mm という画角がどうしても苦手で手放してしまいましたが、描写に関しては XF56mmF1.2 R WR 同様惚れ惚れする写りでした。
こうして新しい世代のレンズの良さを知っていたので、いちばんよく使う標準域でも、同じ世代のレンズが欲しくなりました。
純正を選んだ理由
XF33mmF1.4 と同じくらいの焦点距離では、シグマの 30mm F1.4 や Viltrox の 33mm F1.4 のように、価格が純正の半分以下のレンズもあります。ただ、これらはほとんど候補に入りませんでした。富士フイルムのカメラには富士フイルムのレンズが似合うと思っていますし、上で書いたように新世代の大口径単焦点の写りに信頼があったので、多少高くても純正を選びたいと考えました。
最終的には、レンタルサービスの GOOPASS で XF33mmF1.4 を借りて試し、借りてから1週間ほどで、購入を決めました。

描写
ピント面の解像
XF33mmF1.4 は、ピントが合ったところの解像感がとても高いレンズです。富士フイルムも製品ページで「高画質と周辺まで均質な描写性能」をうたっていて、非球面レンズ2枚と ED レンズ3枚を使った構成で、色のにじみなどを抑えています。
実際に X-E5 で使っていても、周辺の画質低下はほとんど感じません。画面全体でパキッと締まった繊細な描写です。

ボケ
XF33mmF1.4 のボケは癖がなく、前後ともに滑らかにボケていきます。開放の F1.4 で撮っても、背景がうるさくなったと感じたことはありません。XF35mmF1.4 R では前ボケの質がかなり違っており、ある意味それが個性となり多くの人を魅了していた一因だと思います。それに比べると XF33mmF1.4 R LM WR は個性がないともとれてしまいますが、どんな場面でもブレがなく、安心して絞り開放で撮影できる点が私は気に入っています。





逆光
XF33mmF1.4 は、逆光にも強いレンズだと感じています。同じ換算 50mm の XF35mmF1.4 R は、逆光で出るフレアやにじみも「味」として好まれてきたレンズですが、そのぶん強い光が入る場面では写りが変わりやすいとも言われます。XF33mmF1.4 は、こうしたクセを抑えて、どんな場面でも同じように写る方向に作られたレンズなのだと思います。
逆光に弱いレンズがどう写るかは、以前使っていた1万円くらいのサードパーティ製のマニュアルフォーカスレンズで体験しました。光源が少しでも画面に入ると、写真全体のコントラストが一気に下がってしまうのです。XF33mmF1.4 では、光源を画面に入れてもコントラストが落ちたと感じたことはなく、フレアやゴーストが気になったこともありません。


33mm という画角
XF33mmF1.4 は、35mm 判に換算すると 50mm 相当の画角です。それまで使っていた XF35mmF2 は換算約 53mm なので、数字の上ではわずか 2mm の違いですが、使ってみると感覚は割と違います。35mm のほうが被写体をよりクローズアップした感覚がある一方で、少し狭いと感じることもありました。



フード
付属のフード
XF33mmF1.4 に付属しているフードは、正直あまり好みではありません。プラスチックの質感がかなり強く、長さもあるので、付けたときの見た目がどうしても気になってしまいます。

別売の LH-XF23 II
付属のフードの代わりに使っているのが、富士フイルム純正の別売フード「LH-XF23 II」です。本来は XF23mmF1.4 R LM WR 用ですが、フィルター径が同じ 58mm で、公式でも XF33mmF1.4 に対応すると書かれています。なお、旧型の LH-XF23 は XF33mmF1.4 には対応していないので、選ぶときは型番の「II」を確かめてください。
LH-XF23 II は XF33mmF1.4 を買った3日後に買いました。XF35mmF1.4 と同じ角型で、アルミを削り出した部品を使っているので、付属のフードよりずっと質感が高く気に入っています。
ただ、LH-XF23 II にも、小さな不満が2つあります。1つは、XF23mm 用として作られているので「23」の表記が入っていることです。普通に付けると、カメラを上から見たときに「23」が上側に来ますが、このフードはくるっと 180度回して、上下を入れ替えた向きでも付けられます。私は上下を入れ替えて「23」を下側に回しているので、今では表記が気になることはまったくありません。
もう1つは、フード自体が重いことです。使っていて困る場面があるわけではないのですが、フードだけを手に持つと「こんなに重いんだ」と驚きます。フードはたいていプラスチックで軽いものですが、LH-XF23 II は金属を使っているので、ずっしりしています。実際に量ってみると、付属のフードが 27.6g なのに対して、LH-XF23 II は 61.6g と2倍以上ありました。


こうした小さな不満はありますが、付属のプラスチックのフードと比べると見た目は段違いです。それだけで十分に付け替える価値があり、今ではすっかり XF33mmF1.4 の付けっぱなしのフードになっています。
フードと一緒に、レンズの先にはケンコーの PRO1D LotusII プロテクター(58mm)を付けて、前玉を守っています。撥水・撥油のコーティングがされていて、指紋や水滴を拭き取りやすいフィルターです。
ほかの標準レンズとの使い分け
XF33mmF1.4 のほかにも、私の手元には普段使いできるレンズが何本かあります。ここでは、持っている XF35mmF2 R WR・XF23mmF2.8 R WR との使い分けと、買うときに最後まで迷った XF35mmF1.4 R との違いを書きます。
XF35mmF2・XF23mmF2.8
XF33mmF1.4 が来てから、それまでよく使っていた XF35mmF2 R WR の出番は大きく減りました。出かけるときに最初に手に取るのは、基本的に XF33mmF1.4 です。
XF35mmF2 は小さくて軽く、写りと値段のバランスがいいレンズで、今も手元にあります。それでも、XF56mmF1.2 と同じ方向の写りをこの画角で気軽に持ち出せる XF33mmF1.4 があると、ついこちらを選んでしまいます。
XF35mmF2 R WR のレビューはこちらです。
一方で XF23mmF2.8 は、今でもときどきカバンに入れていきます。薄くてさっと入るので、「とりあえず持っていくか」と入れておけるのがこのレンズのいいところです。XF33mmF1.4 は換算 50mm なので、カフェのように席と席の間が狭い場所では、もう少し広く撮りたいと思うことがあり、そういうときの予備として役に立っています。
XF23mmF2.8 R WR のレビューはこちらです。
XF35mmF1.4 R
XF35mmF1.4 R は、XF33mmF1.4 を買うときに候補に入っていたレンズです。小さいわりに F1.4 の明るさがあり、見た目もかっこいいので、X-E5 に付けたらとても似合うと思います。
それでも XF33mmF1.4 を選んだのは、XF56mmF1.2 や XF23mmF1.4 を使ってきて、新しい世代の明るい単焦点はどれも写りが素晴らしいと感じていたからです。個性の強い XF35mmF1.4 R よりも、33mm のほうが買ったあとに後悔が少ないだろうと考えました。
XF35mmF1.4 R は、私の XF35mmF2 の記事でも「ふんわりしたオールドレンズのような描写」と書いたとおり、XF33mmF1.4 とは描写の傾向がまったく違います。逆光にはそれほど強くなく、前ボケと後ろボケの感じも違うそうです。向いている方向が違うので、買い替えではなく両方持っていてもいいレンズです。いつか X-E5 に付けて撮ってみたいと、今でもときどき思っています。
どんな人に向いているか
XF33mmF1.4 が向いていると思うのは、次のような人です。
- XF56mmF1.2 など、最近の純正の明るい単焦点の写りが好きな人
- 癖のないボケと、逆光での安心感がほしい人
- 安いサードパーティより、多少高くても純正のレンズで揃えたい人
- 標準域のレンズを、長く使える1本に絞りたい人
反対に、次のような人には XF33mmF1.4 は合わないかもしれません。
- 軽さや小ささを最優先にしたい人(XF35mmF2 や XF35mmF1.4 R のほうが合っています)
- オールドレンズのような、個性のある描写が好きな人(XF35mmF1.4 R のほうが合っているかもしれません)
作例
X-E5 と XF33mmF1.4 で撮った写真を載せておきます。基本的に JPEG の撮って出しで、フィルムシミュレーションはすべてクラシックネガです。











まとめ
XF33mmF1.4 R LM WR は、XF56mmF1.2 の写りが好きな私が、換算 50mm 前後の1本として選んだレンズです。X-E5 の約4,000万画素でも、寄って開放で撮ってにじみが出ることはなく、ボケはきれいで前後の質の差もありません。逆光でも安心して撮れて、33mm の画角もいろいろな場面で使いやすいので、気がつけば X-E5 にほとんど付けたままになっていました。
付属のフードは好みではありませんが、別売の LH-XF23 II に替えることで、見た目の不満もほとんどなくなりました。XF35mmF1.4 R が今も気になるのは描写の方向が違うからで、XF33mmF1.4 に足りないところがあるからではありません。
標準レンズで、買ったあとに後悔の少ない1本を探しているなら、XF33mmF1.4 は候補に入れて損のないレンズだと思います。
参考になれば嬉しいです。
それでは。








