NIKKOR Z 24-120mm f/4 S レビュー。単焦点派の私が、Z8 に付けっぱなしにしている理由
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こんにちは、HIROYAです。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S は、Nikon Z8 と一緒に「とりあえず標準ズームも1本」という軽い気持ちで買ったレンズでした。
評判の良いレンズだったので期待はしていましたが、写りには少しだけ不安もありました。富士フイルムで XF16-55mm F2.8 II を使っていたとき、お気に入りの XF56mmF1.2 R WR と比べてボケも解像も一段落ちると感じて、結局手放した経験があったからです。ズームはこんなものかな、という思いがどこかに残っていました。
ところが1年たった今、Z8 にほとんど付けっぱなしになっているのはこのレンズです。この1年で撮った写真を数えてみると、同時期に購入したZ 50mm f/1.8 S が約940枚なのに対して、24-120mm は約2,200枚。しかもその4枚に1枚は、望遠端の 120mm で撮っていました。
この記事では、富士フイルムの APS-C とニコンのフルサイズを併用している私が、このレンズのどこが良くて、どこが気になるのかをまとめます。

レンズの概要とスペック
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S は、ニコンのフルサイズミラーレス用の標準ズームレンズです。24mm から 120mm までを F4 のまま通してズームでき、描写性能の高いレンズに付けられる「S-Line」のひとつです。スペックは以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 焦点距離 | 24〜120mm |
| 開放 F 値 | F4(ズーム全域) |
| レンズ構成 | 13群16枚(ED・ED 非球面・非球面レンズ、ナノクリスタルコート、アルネオコート) |
| 最短撮影距離 | 0.35m(ズーム全域) |
| 最大撮影倍率 | 0.39倍(120mm のとき) |
| フィルター径 | 77mm |
| 大きさ | 約84mm × 118mm |
| 重さ | 約630g |
| 手ブレ補正 | レンズにはなし(ボディ側の手ブレ補正を使う) |
| 防塵・防滴 | 防塵・防滴に配慮した設計 |
| 発売日 | 2022年1月28日 |


ニコンのフルサイズの標準ズームには、明るい 24-70mm f/2.8 S や、軽くて安い 24-70mm f/4 S もあります。どれにするかで迷う人も多いと思います。私がこのレンズを選んだ理由から書いていきます。
購入の理由と、比べたレンズ
24-120mm を選んだいちばんの理由は、焦点距離です。私は中望遠が好きで、24-70mm では 70mm の先が少し足りないだろうと思っていました。Z8 は登山に持っていくカメラなので、遠くの稜線を切り取る望遠もほしいところでした。
24-70mm f/2.8 S の明るさに惹かれなかったわけではありません。ただ、私はもともと「標準域は単焦点でいい」と思っている派です。手元には Z 50mm f/1.8 S があり、レンズ交換の手間を惜しまなければ、単焦点のほうがいい描写が得られます。F2.8 のズームでも単焦点と比べれば見劣りするなら、焦点距離が単焦点と大きく重ならない 24-120mm のほうが、持っている意味がはっきりすると考えました。値段も、24-70mm f/2.8 S は約2倍します。
安い 24-70mm f/4 S も候補には入りました。約500g と 24-120mm より130g ほど軽く、写りの評判も良いレンズです。それでも選ばなかったのは、やはり 70mm までという焦点距離でした。あとで撮った写真を数えてみると、私は 71mm 以上で撮った写真が約半分あったので、差額を払ってでも 24-120mm にしてよかったと思っています。
| Z 24-120mm f/4 S | Z 24-70mm f/2.8 S II | Z 24-70mm f/4 S | |
|---|---|---|---|
| 焦点距離 | 24〜120mm | 24〜70mm | 24〜70mm |
| 開放 F 値 | F4 通し | F2.8 通し | F4 通し |
| 重さ | 約630g | 約675g | 約500g |
| 最短撮影距離 | 0.35m | 0.38m | 0.3m |
描写
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S の描写は、ズームレンズへの少しの不安を、良い意味で裏切ってくれました。
ボケ
24-120mm のボケは、明るい単焦点と比べると控えめです。たとえば Z 50mm f/1.8 S と同じ 50mm で、被写体までの距離もそろえて撮れば、ボケの量はやはり Z 50mm のほうが大きくなります。
ただ、24-120mm はズーム全域で 0.35m まで寄ることができます。ボケの量は F 値だけでなく、焦点距離や被写体との距離でも変わります。120mm で 0.35m まで寄ったときは、ズームレンズとは思えないほど大きくボケてくれます。
もちろん、大口径の中望遠単焦点で撮ったような、背景がとろとろに溶ける描写には及びません。それでも、ボケはざわつきが少なく素直なので、多くの場面でこれで十分だと感じています。


解像感
24-120mm は、24mm でも 120mm でもパキッと写ります。Z8 の 4,500万画素を、しっかり生かせているレンズだと感じます。
高画素のセンサーは、レンズが甘いとその甘さがかえって目立ってしまいます。富士フイルムの X-E5(4,020万画素)に XF35mmF2 R WR を付けたときは、このレンズの甘さが際立って見えました。24-120mm では、そうした甘さを感じたことはありません。
F4 とはいえ、レンズは開放で撮ると描写が少し甘くなるのが一般的です。ところが 24-120mm は、開放からとてもシャープでクリアに写ります。下の写真は、雪の斜面の遠景の木々を開放で切り取ったものですが、細かい枝の1本1本まで緻密に描写されています。

圧縮効果
24-120mm を使い始めて新鮮だったのが 120mm の圧縮効果です。それまで私が使ったいちばん焦点距離の長いレンズは XF56mmF1.2 R WR(フルサイズ換算で約85mm)でした。初めて持ち出したイチョウ並木の日も、奥行きのある並木を 120mm で撮ると、木々がぎゅっと詰まって、黄色い葉が画面いっぱいに重なりました。この感覚が強く印象に残り、この日の写真の3枚に1枚は 120mm で撮っていました。
この描写は焦点距離 24-70mm のレンズとの大きな差です。

よく使う焦点距離
24-120mm で撮った写真が何 mm で撮られているか、写真の撮影データ(Exif)から数えてみました。2025年11月から2026年10月までの 2,208枚です。

いちばん多いのは 101〜120mm の 597枚(27%)で、そのうち 519枚は望遠端の 120mm ちょうどでした。ボケ感を出したい時や、圧縮効果を強調したい時によく使っているのだと思います。
70mm で区切ってみると、71mm 以上で撮った写真が全体の約半分(45%)ありました。24-70mm を選んでいたら、この半分は撮れていなかったことになります。
ただ、望遠側ばかり使っているわけではありません。24〜35mm の広角側も 484枚(22%)あり、そのうち 228枚は広角端の 24mm ちょうどでした。広角側と望遠側を合わせると、全体の約半分になります。
広く撮りたいときも、遠くを切り取りたいときも、この1本で撮れる。ズームの範囲が広いこのレンズの良さが、そのままグラフに表れていると感じます。アウトドアから街歩き、テーブルフォトまで、レンズを替えずに撮りたい画角に合わせられるので、ジャンルを選ばず使えます。
使っている場面
今では Z8 にはほぼこのレンズを付けっぱなしです。外すのは、カフェに行くときと暗い場所くらいで、そのときは Z 50mm f/1.8 S に替えます。
重さは約630gで、Z8 と合わせると約1.5kg になります。Z8 にはストラップを付けておらず、手首に巻くカフをずっと付けています。ふだんの街歩きでは、PGYTECH の OneGo Lite(22L)というカメラリュックのショルダーベルトに、Peak Design のキャプチャーでカメラを留めています。登山のときは、このキャプチャーを登山用のザックに付け替えて、同じように持ち歩いています。
カフについて紹介した記事はこちらです。
登山
24-120mm は、登山で1本だけ持っていくレンズとしてちょうどいい焦点距離です。山では遠くの稜線を大きく撮りたい場面がよくあり、レンズを替えずに 120mm まで伸ばせるのはかなり助かります。24mm の広さもあるので、山の上ではこれ1本で済んでいます。
登山でもう1つ助かっているのが、ズームリングの回しやすさです。山では歩いている途中で少し立ち止まって撮ることが多く、一人で登っているわけでもないので、じっくり構図を合わせる時間はあまりありません。24-120mm のズームリングは重厚感がありつつ、いつも一定の重さで回るので、狙った画角にさっと合わせられます。また、しっかりとしたトルク感があるため、カメラを下に向けたときに鏡筒が自重で伸びてくるようなこともありません。
雪山では、防塵・防滴に配慮した作りも安心材料でした。ニコンはレンズもボディも、ほかのメーカーと比べて堅牢な作りが特徴で、厳しい環境でも安心感があります。ただ、ズームすると鏡筒が伸びるレンズなので、伸び縮みする部分から雪やほこりが入らないかは、少し気をつけたいところです。今のところ、レンズの中にゴミが入ったようなことは起きていません。
自然を撮るときは、77mm の PL フィルターをよく使います。使っているのはマルミの PRIME PLASMA SPUTTERING CPL です。葉っぱや水面の反射を抑えると、コントラストが上がってメリハリのある写真になります。


ブログの物撮り
ブログに載せるカメラや小物の写真も、基本はこのレンズで撮っています。パソコンにつないで撮るテザー撮影でも、ほとんどこのレンズを付けています。
物撮りでは、まわりに余計なものを写したくないので、撮りたい物を画面いっぱいに収めたいことがよくあります。24-120mm はズーム全域で 0.35m まで寄れて、120mm では最大撮影倍率が 0.39倍あります。カメラのような大きな物から、SD カードのような小さな物まで、画面いっぱいに収めやすいのが使いやすいところです。
気になるところ
24-120mm でいちばん困ったのは、F4 の暗さです。宮島水族館では、展示が暗いうえに生き物がよく動くので、ブレないようにシャッター速度を上げる必要がありました。ところが、F4 まで開けて魚の群れを 1/30秒で撮った時点で、ISO はすでに 10,000 まで上がっていました。泳いでいる魚を止めるにはもっと速いシャッターが欲しいのに、ここから上げればさらに ISO が上がってしまいます。これは無理だと思い、すぐに Z 50mm f/1.8 S に付け替えました。暗い場所で動くものを撮るのは、このレンズには少し厳しいと思います。

もう1つは、120mm でも足りない時があることです。愛知県のモリコロパークにコスモスを撮りに行ったときは、花壇から少し離れた場所からしか撮れず、花を大きくクローズアップさせた写真を撮ることができませんでした。撮影場所によってはもっと望遠側が必要だと感じる場面があります。
また、このレンズには手ブレ補正が付いていません。私は気になったことはありませんが、120mm まで使えるレンズなので、望遠側では手ブレが気になる人もいると思います。ただ、ニコンのフルサイズミラーレスは、Z8 はもちろん Z6III や Z5II など多くのカメラがボディ内手ブレ補正を備えているので、実際に困る人は少ないのではないでしょうか。
最初の一本におすすめ
これからニコンのフルサイズを買う人には、このレンズとのセットをおすすめしたいです。しばらくはこの1本で十分楽しめますし、登山にも街にも使える実用的な焦点距離です。使っているうちに「もっとボケがほしい」「もっと遠くのものを写したい」などと思ったら、そのときの目的に合ったレンズを足せばいいと思います。私が Z 50mm f/1.8 S を併用しているのも、まさにその使い方です。
Z6III には、このレンズとのレンズキットがあります。それぞれ単品で買うよりも安く購入することができるので、Z6III の購入を検討している人には強くおすすめしたいです。
どんな人に向いているか
向いていると思う人
- 登山や旅行で、レンズ交換をせずに1本で済ませたい人
- 70mm より先の中望遠をよく使う人
- ズームでも、ある程度ボケのある写真を撮りたい人(120mm で寄って撮る)
- 物撮りもする人(寄れて、画角を選べる)
向いていないと思う人
- 背景を大きく溶かすようなボケが欲しい人(明るい単焦点のほうが合っています)
- 暗い場所で動くものを撮ることが多い人
作例







まとめ
ズームは単焦点に一段劣ると思っていた私にとって、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S は考えを変えてくれたレンズでした。ズームの全域でパキッと写り、120mm まで伸ばして寄れば F4 でもしっかりボケます。登山では1本で済み、家ではブログの物撮りにも使える。気がつけば、Z8 を持ち出す日はほとんどこのレンズを付けています。
このレンズは多くの人にお勧めできるレンズです。最初の一本を何にしようか迷っている方がいたらぜひこのレンズを検討してみてください。
それでは。









