Nikon Z8レビュー。フルサイズの高画素機が欲しくて買った私が、11か月使って感じたこと
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こんにちは、HIROYAです。
今回は私が主に旅行やアウトドアで使用している、ニコンのフルサイズミラーレスカメラ「Z8」をレビューしたいと思います。

Z8 は2023年5月に発売されたカメラで、ニコンのフラッグシップ機である Z9 の性能を、より小さなボディに収めたモデルです。有効画素数は4571万画素の、いわゆる高画素機になります。
Z8 は高速連写やAF性能から、スポーツや野鳥などの動きものを撮るカメラとして紹介されることが多いように思います。一方で私は、風景や登山、旅行先での写真を撮るために使っており、動きものや動画はほとんど撮っていません。
この記事では、Z8 を約11か月、静止画で使ってみて感じたことを書いていきます。比較対象は、普段使っている富士フイルムの X-E5 です。
先に結論を書くと、画質と堅牢性には文句がないカメラですが、重くて大きいため、持ち出すにはそれなりの気合いがいります。その重さを受け入れてでも、登山や旅行など、撮りたい景色のために持ち出せる方に向いているカメラだと思います。
こんな方におすすめです。
- フルサイズの高画素機で、風景や自然を撮りたい方
- 登山やアウトドアなど、天候の厳しい場所でも撮影したい方
- RAW 現像を前提に、写真を仕上げていきたい方
- フラッグシップ級のカメラに憧れがある方
- Z8 を検討していて、キャッシュバック中に買うか迷っている方
Z8 を選んだ理由
私が「Z8」を購入した理由は、正直にいうとフルサイズへの憧れという部分がほとんどです。当時私は APS-C しか所持しておらず撮れる写真に大きな不満はなかったものの、やはりフルサイズという言葉には強烈に惹きつけられるものがあり、いつかは「フルサイズ」が欲しいと毎日のように思っていました。また、X-E5 を所持しているということもあり、せっかくフルサイズを買うんだったら X-E5 と同等かそれ以上の画素数のカメラが欲しいと思っていました。
迷った機材
「フルサイズ」かつ「高画素機」で絞り込んだ結果、ニコンの Z7II、Z8、ソニーの α7R V が候補に上がりました。以下に3台のスペックを並べてみます(私が購入を検討していた2025年11月時点の比較です)。
| Nikon Z8 | Nikon Z7II | Sony α7R V | |
|---|---|---|---|
| 有効画素数 | 4571万画素 | 4575万画素 | 約6100万画素 |
| 質量(バッテリー・カード含む) | 約910g | 約705g | 約723g |
| シャッター | 電子シャッターのみ(センサーシールドあり) | メカシャッター+電子シャッター | メカシャッター+電子シャッター |
| 液晶モニター | 縦横チルト(4軸) | チルト | 4軸マルチアングル(チルト+バリアングル) |
| 発売 | 2023年5月 | 2020年12月 | 2022年11月 |
Z7II は Z8 よりもコンパクトで、画質の評価も高く価格も Z8 と比べるとかなり安い。ただ、液晶モニターが通常のチルト式であることと、画像処理エンジンが一世代前のものであることから、長く使う上で不安があり購入をためらいました。
α7R V に関しては、約6100万画素という画素数と、Z8 よりも軽くコンパクトなボディに魅力を感じ、一応検討はしました。ただ、当時の私はかなりニコンに気持ちが傾いており、よっぽどのことがなければニコンにしようと考えていました。画質や性能については、正直ほぼ同じくらいだと思っています。また、ニコンには普段使いしやすい標準ズームレンズの「Z 24-120mm f/4 S」があることも大きく、α7R V を選ばなかったのは、α7R V に不満があったというよりは、ニコンの方に惹かれていたからというのが正直なところです。
なお、α7R V は私が検討していた当時の最新モデルで、2026年6月には後継機の「α7R VI」(約6680万画素)が発売されています。これから高画素機を選ぶ方は、α7R VI もあわせて比べてみてください。
Z8 のスペック(ニコン公式の仕様表より)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 撮像素子 | 35.9×23.9mm CMOS(フルサイズ/FX) |
| 有効画素数 | 4571万画素 |
| 手ぶれ補正 | イメージセンサーシフト方式5軸補正。最大6.0段(CIPA 規格準拠)。シンクロVR に対応 |
| シャッター | 電子シャッターのみ。センサーシールドあり |
| シャッタースピード | 1/32000〜30秒(M モードで900秒まで延長可) |
| 連写 | 最高 約120コマ/秒(ハイスピードフレームキャプチャー+ C120) |
| ファインダー | 約369万ドット OLED、倍率 約0.8倍 |
| 液晶モニター | 3.2型 約210万ドット、縦横チルト、タッチパネル |
| 記録媒体 | CFexpress Type B / XQD、SD のダブルスロット |
| バッテリー | EN-EL15c(撮影可能コマ数 約330〜340コマ、ファインダー使用時) |
| 大きさ | 約144×118.5×83mm |
| 質量 | 約910g(バッテリー・カード含む)/ 約820g(本体のみ) |
良いところ
画質
画質に関しては文句がありません。「フルサイズ」かつ「高画素機」である Z8 は、他社ユーザーからも高く評価されている Z レンズと組み合わせると、被写体の光をしっかりと受け止め、細部まで緻密に描写してくれます。私はフルサイズだからいい写真が撮れるとは思っていませんが、Z8 で撮影しているとダイナミックレンジの広さ、描写の細かさ、リッチなボケ感から写真が上手くなったと錯覚してしまいます。
堅牢性・防塵防滴とセンサーシールド
Z8 はニコンの準フラッグシップと言える存在で、プロの現場で使うことを想定されているため、堅牢性が高く、防塵防滴にも配慮されています。登山のような厳しい環境でも安心して使えます。
また、Z8 には「センサーシールド」という機能があり、メニューの「電源OFF時のセンサーシールド」を「閉じる」に設定しておくと、電源を切ったときにセンサーの前にカバーが降りて、センサーを守ってくれます。センサーシールドがないカメラでは、レンズ交換のときにカメラ側のセンサーとレンズの両方を守らなければならず、屋外ではかなり交換しづらく感じます。Z8 はレンズを外したときにカメラ側を気にしなくてよいので、外したレンズにすぐ保護キャップを付けられ、安心してレンズ交換ができます。
私が登山に Z8 を持っていくのは、こうした堅牢性や防塵防滴、センサーシールドによる安心感があるからです。
ファインダーが見やすい
ニコンはファインダーの見やすさに定評があり、準フラッグシップ機である Z8 のファインダーは、まるで光学ファインダー(OVF)かのように自然な見え方です。普段使っている X-E5 と比べると、かなり差を感じる部分です。
スペックで比べてみると、Z8 のファインダーは約369万ドット・倍率 約0.8倍なのに対して、X-E5 は約236万ドット・倍率 0.62倍です。
| Nikon Z8 | FUJIFILM X-E5 | |
|---|---|---|
| 表示パネル | 0.5型 OLED | 0.39型 OLED |
| ドット数 | 約369万ドット | 約236万ドット |
| ファインダー倍率 | 約0.8倍 | 0.62倍 |
ドット数が多いぶん細かいところまで確認しやすく、倍率が大きいぶん、ファインダーをのぞいたときに見える像も大きくなります。X-E5 は小さなボディに収めるためにファインダーもコンパクトになっているので、比べてしまうと少し窮屈に感じます。Z8 は像が大きくきれいに見えるので、ファインダーをのぞきながらじっくり構図を考えたいときに、見やすさの差を感じます。
4軸チルトの液晶モニター
Z8 の液晶モニターは「4軸チルト」と呼ばれる方式で、横位置で撮るときだけでなく、カメラを縦に構えたときにも液晶モニターを傾けることができます。個人的にとても気に入っている機能です。
そもそも私は、液晶モニターの方式の中ではチルト式が好きです。チルト式は、液晶モニターを上下に傾けられる方式のことで、横に開いてから回転させるバリアングル式のように、アングルを変えるたびに画面をパカパカ開いたり、くるくる回したりしなくていいところが気に入っています。
ただ、普通のチルト式は横位置でしか傾けられないため、縦位置のローアングルで撮るときには、画面がとても見づらくなってしまいます。これは X-E5 を使っていてかなり体感している部分で、縦位置で低い位置から撮りたいときには、無理な姿勢で画面をのぞき込むことになります。
Z8 の4軸チルトなら、縦位置でも液晶モニターを傾けることができるので、ローアングルで縦に撮りたいときにも、無理な姿勢をとらずに画面を確認できます。チルト式の手軽さはそのままに、普通のチルト式では撮りにくい縦位置のローアングルもこなせてしまうところが、4軸チルトのいちばんの魅力だと思います。
RAW 現像がしやすく、明暗差の大きい場面に強い
カフェや室内での撮影では、それほど明暗差の大きい場面はないため、X-E5 のような APS-C のカメラでも困ることはあまりありません。一方で屋外、特に晴れた日のアウトドアでは明暗差が大きくなりやすく、APS-C だと少し厳しいなと感じることがあります。とくに気になるのが白飛びで、空や日の当たっている部分の明るいところが真っ白になり、色や形が残らなくなってしまうことです。
そこで Z8 で撮るときは、基本的に白飛びしないように撮ることを意識しています。明るい部分が白飛びしないように少し暗めに撮っておき、あとから Lightroom でシャドウ(暗い部分)を持ち上げて仕上げる、という使い方が多いです。
この使い方で X-E5 と比べて感じるのが、シャドウを持ち上げたときのノイズの少なさです。富士フイルムの APS-C で同じように暗い部分を持ち上げるとノイズが気になることがありますが、Z8 はシャドウを上げてもノイズ感があまり気にならず、安心して持ち上げることができます。この RAW 現像のしやすさが、アウトドアや明暗差が激しそうな場面で、X-E5 ではなく Z8 を選ぶ理由になっています。
気になるところ
重くて大きい
Z8 は重く、大きいカメラです。普段から持ち運ぶにはそれなりの気合いがいりますし、片手でずっと持っていると手が痛くなってきます。グリップは握りやすいのですが、やはり重さは感じます。
RAW 現像が前提になる
富士フイルムのカメラは、撮って出しの JPEG で完成した写真になりますが、Z8 は RAW 現像を前提に使うカメラだと感じています。ここは富士との大きな違いです。写真を撮ってそのまま SNS にアップロードするようなワークフローは、富士フイルムに軍配が上がると思います。
ニコンにもフレキシブルカラーピクチャーコントロールという、パソコンのソフトで自分好みの色を作ってカメラに入れておける機能があり、撮って出しの色をある程度作り込むことはできます。ただ、どれだけ設定を作り込んでも、富士フイルムのフィルムシミュレーションにはちょっと及ばないなと感じるところが正直あります。X-E5 は撮って出しの写真がいいので、本当に楽です。
メカシャッターがない
Z8 には機械式のシャッター(メカシャッター)がなく、電子シャッターだけで撮影します。プロの現場で使用することを想定して耐久性を考慮した設計だとは思いますが、やはりメカシャッターがあった方が撮っていて気分が上がります。シャッター音も、指に伝わる感触も、物足りなさを感じています。
重さとの付き合い方
さきほど重さを気になるところに挙げましたが、私が重さを強く感じるのは、主に日常で持ち歩くときです。たとえば「ちょっとカフェに行こう」というときに Z8 を持っていくという選択肢はほぼなく、基本的には X-E5 を持って出かけています。
一方で、登山や旅行のように少し非日常的な体験をするときは、最初から Z8 を持っていくつもりで装備を整えて出かけるため、意外と重さは気になりません。重さそのものを補う方法はなく、気合いで持ち出しているというのが正直なところですが、気合いが入っている日は、それほど苦にならないものだと感じています。
登山では、ピークデザインの「キャプチャー V3」をザックのショルダーベルトに付けて、Z8 をぶら下げて歩くことが多いです。キャプチャーは、カメラをバッグのベルトなどに固定できるクリップで、手を空けたまま歩けるので、片手でずっと持って手が痛くなるということもありません。また、登山ではザック自体がそれなりに重くなるため、全体の中でカメラが占める割合を考えると、Z8 の重さはそこまで気になりませんでした。
旅行で一日中街を歩くときも、同じように Z8 を持っていくつもりの装備で出かけているので、あまり気になりません。旅行先では、どんな場面に出会うか分からないので、フルサイズで色々な場面に対応できるという安心感の方が大きいです。
逆に、X-E5 だけを持って出かけて「Z8 にすればよかった」と思うことはあります。ただ、それはボディというよりレンズの方で、富士フイルムは単焦点レンズしか持っていないため、もう少し望遠側で撮りたいときに、Z 24-120mm f/4 S が使える Z8 だったらよかったのに、と感じることがあります。
買うなら今か、後継機を待つか
私は2025年11月に、カメラのキタムラ 楽天市場店で購入しました。ちょうどキャッシュバックのキャンペーン中で、50,000円のキャッシュバックを申し込みました。
2026年10月1日時点では、ニコンの秋のキャンペーンで Z8 ボディは75,000円のキャッシュバック対象になっています。購入期限は10月13日です。
ただ、もし今 Z8 を持っていなかったとしたら、正直なところ、後継機が出てくるのを一旦待つかもしれません。Z8 の性能には満足していますが、11か月使ってみて、後継機ではここが変わってほしいと思う点もあるからです。
一つ目は、もう少しコンパクトになってほしいという点です。さきほども書いたとおり、日常で持ち歩くには重く大きいため、もう少し小さくなれば、持ち出す機会も増えると思います。
二つ目は、メカシャッターの搭載です。電子シャッターだけでも撮影に困ることはありませんが、シャッターを切る楽しさという点では、やはりメカシャッターが欲しいと感じています。
三つ目は、イメージングレシピへの対応です。イメージングレシピとは、ニコンのクラウドサービス「Nikon Imaging Cloud」で、クリエイターやニコンが公開している色や仕上がりの設定のことで、カメラに取り込むと、撮って出しの JPEG をその仕上がりで撮影できます。Z8 のすぐあとに購入し、今はもう手放してしまった Zf では、カメラをネットにつなぐだけでレシピを取り込むことができ、とても便利だと感じていました。ところが Z8 は Nikon Imaging Cloud に対応しておらず、公式にはイメージングレシピを使うことができません。レシピに対応したカメラで撮影した写真をパソコンのソフト「NX Studio」に取り込み、その設定を書き出してメモリーカード経由で Z8 に入れる、という裏技的な方法もあるようですが、レシピで撮った写真が必要になるうえに手間もかかります。後継機では、Zf と同じようにカメラをネットにつなぐだけで、手軽にレシピを取り込めるようになると嬉しいです。
ただ、こうして後継機に期待することを挙げてみると、どれも「あると嬉しい」というちょっとしたプラスで、写真の写りそのものに関わるものではありません。後継機が出れば、画質や連写性能、AF 性能なども進化するとは思いますが、私たちアマチュアが使う分には、その差を体感できる場面はかなり少ないと思います。正直なところ、Z8 の性能はすでに十分すぎるほどで、その進化の恩恵をしっかり受けられるのは、プロなどごく一部の方ではないでしょうか。
そのため、「今 Z8 を買って、すぐに性能が物足りなくなるのでは」という不安は、ほとんど気にしなくていいと思います。実際に11か月使ってきた私も、画質や性能の面では、これ以上何が必要なのかと思うくらいのスペックだと感じています。
コンパクトさやメカシャッターにこだわりがあるのであれば、後継機を待つのも一つの選択肢です。ただ、そうでなければ、キャッシュバックで75,000円安く買える今は、Z8 を手に入れるにはかなりいいタイミングだと思います。後継機の発表時期や価格もまだ分からないので、今これだけ安く買えるのであれば、割とありだと思います。なお、今回のキャンペーンでは、私が使っているレンズもキャッシュバックの対象になっていて、「Z 24-120mm f/4 S」は15,000円、「Z 50mm f/1.8 S」は5,000円のキャッシュバックが受けられます。
作例
最後に、Z8 で撮影した写真をいくつか載せておきます。レンズは、普段いちばんよく使っている標準ズームの「Z 24-120mm f/4 S」と、単焦点の「Z 50mm f/1.8 S」の2本です。







まとめ
Z8 を11か月使ってみて、もちろん買ってよかったと思っています。富士フイルムの撮って出しの色はとても好きですが、Z8 のダイナミックレンジの広さや RAW 現像のときの編集耐性の高さには、フルサイズならではの余裕を感じます。また、メーカーもセンサーサイズも違う2台を使い比べたことで、スペック表だけでは分からないそれぞれの得意・不得意が見えてきたのも、大きな収穫でした。そして、「フルサイズが欲しい」と毎日のように悶々としていた気持ちがなくなったことも、私にとっては嬉しい変化でした。
一方で、日常的に気軽に持ち歩きたいという方には、Z8 は向いていないと思います。重く大きいため、相当な気合いがないと持ち出すのは難しく、おそらくだんだん持ち出さなくなってしまうのではないでしょうか。
Z8 と X-E5 の2台持ちについて
最後に、私が実際にしている Z8 と X-E5 の2台持ちは、割とおすすめできる組み合わせだと思っています。2台がそれぞれの弱点を補い合っているからです。
X-E5 はかなり気軽に持ち出せるカメラで、撮って出しの色味もとても良いため、撮った写真をそのまま SNS にアップするような使い方がとても楽です。ただ、防塵防滴には対応しておらず、APS-C のため RAW 編集の耐性は Z8 ほど高くなく、ファインダーも見やすいとは言えません。
一方で Z8 は防塵防滴に対応しているため、アウトドアや過酷な環境でも安心して使うことができます。ファインダーもとても見やすく、フルサイズのため RAW 現像での編集もしやすいです。
また、どちらも液晶モニターはチルト式ですが、X-E5 は画面を反転させて自分の方に向けることができるので、自撮りをしたいときにも対応できます。
このように、それぞれの得意なことと苦手なことがうまく分かれているので、この2台を持っていてできないことは、かなり少ないのではないかと思います。
Z8 は、画質と堅牢性に文句のないカメラです。重さと大きさを受け入れて、フィールドに出てバシバシ撮りたい方には、とても頼りになるカメラだと思います。
参考になれば嬉しいです。
それでは。









